プロジェクトマネジメント基礎2
プロジェクトマネジメントがなぜ必要なのか
プロジェクトを成功させるためには人、物、金を適切に確保し、リスクヘッジすることが重要です。これはプロジェクトの規模に関係無く、1人のプロジェクトでもプロジェクトマネジメントを行います。
1人でプログラミングをするときでも以下の点を意識して作業を進めていると思います。
- どのくらいの工数を投入できるか
- いつまでに完成できそうか
- 必要なサービスを確保できるか
- 必要なサービスの費用は
もう少し、身近な例では晩ごはんの料理を作ることもプロジェクトの1つであり、以下のことを考えて料理を進めていると思います。
- いつまでに完成させる必要があるのか
- 家族の好き嫌いを考慮したメニューを検討
- 必要な材料と道具を準備
1人のときは作業する人とマネジメントする人が同一人物のためプロダクトマネジメントを意識するせずにプロジェクトを進めることが多いと思います。しかし、意識していなくてもプロジェクトマネジメントのスキルを使いプロジェクトを成功に導いています。
2人以上になると、作業だけする人と作業とプロジェクトマネジメントを兼任する人に別れます。もっと人数が増えればマネジメントすべき要素が増えるためプロジェクトマネージャーというプロジェクトマネジメントを専任する担当者が任命されます。しかし、プロジェクトマネージャーの本質的な目的はプロジェクトに参画するメンバーの人数に関わらず1つです。
PMのスキル
PM(プロジェクトマネージャー)をやるために必要なのはコミュニケーション力といった天性の才能ではなく、スキルです。ではどういったスキルが必要でしょうか?
私はこれまでの経験から以下のスキルが必要だと考えています。
- 大きな視点でプロジェクトを俯瞰するスキル
- 要件に優先順位をつけて、優先順位の低い要件を捨てる決断ができるスキル
- 自分以外のメンバーから言われるネガティブなことや、メンバーが思っているネガティブに思っていることをポジティブな事象に変換するスキル
- プロジェクトで発生する事象に論理的にバランスを取れるスキル
- 論理的思考スキル
一朝一夕で身につくものではないですが、上記スキルがあればプロジェクトは上手くまわります。それぞれのスキルについては次回以降で詳しく述べていきたいと思います。
PMに向く人、向かない人
基本的にやろうと思えば誰でもできます。なぜなら、PMに必要なのはスキルのみで才能ではないからです。
ただし、例外として以下のような方には向かないかもしれないです。
- 人と会話することが苦痛と感じる
- 失敗が怖い
PMはプロジェクトメンバーに指示したり相談したりすることが大切で、会話することが2番目くらいに多い作業だからです。黙々と作業することはほとんど無く、会話することのほうが多いのが一般的です。
初回のプロジェクトから当初目的を予算内で予定納期に完遂することは稀です。必ず諦める部分や、無理な作業をメンバーにお願いする事態が発生します。しかし、この失敗をバネに次のプロジェクトを成功させていくのです。失敗を恐れる方にはPMは向かないでしょう。
PMが持ったほうが良い知識
以下の知識はあると有利ですが、必須ではないです。細かいところまで勉強しなくて良いので大枠で捉えてほしいです。
- PMBOK
- ITIL(ITシステム運用の枠組みですが、長期プロジェクトの運用方法の参考になります)
- プロジェクトマネジメントに必要なツールの使い方
一方でプロジェクトの目的になっている成果物や業務領域の知識は無くてもPMはできます。自身に無い知識をカバーできるメンバーをプロジェクトにアサインし、質問攻めにすれば解決できますし、プロジェクトを回す課程で勉強すれば問題ありません。
私も新卒のころはインフラ構築経験やコーディング経験が無いとPMはできないと思っていましたが、そういったものは無くてもPMは務まるということを6年ほど経ってから気づきました。
おわりに
今回はプロジェクトマネジメントの目的からPMのスキルなどを私なりに整理して記載させていただきました。次回は前回の記事プロジェクトマネジメントの基礎 の内容を踏まえてPMのスキルについて記載していきたいと思います。